泰山木

 ここのところ、雨の日が多く、4,5日ぶりに、わが団地内を歩いた。いつの間にか、泰山木が大輪の花を咲かせていた。木蓮、梔子などとちがって樹全体に花が咲くというのではなく、一本の木に多くても10個くらいしか咲いていないところが好きだ。もっとも、直径20cmもの花が樹全体に咲いたら、暑苦しくてかなわないだろう。この花は、咲き始めの頃がいい。梢の上のほうに、目立たないように咲いているところが味わいがある。
 今日の泰山木はちょっと時間が過ぎていて、咲き終わっているものも多かった。牡丹、薔薇、などと同様、大きな花がしぼんだ姿は見たくないものだと思う。しかし、これも命のサイクル、さかりばかりを見て楽しむだけではいけないのだろう。