出雲と大和――古代国家の原像をたずねて (岩波新書:村井康彦)

出雲と大和――古代国家の原像をたずねて (岩波新書)

出雲と大和――古代国家の原像をたずねて (岩波新書)

 出雲王国論、邪馬台国大和王権、神武東征、吉備の国、出雲系葛城氏など、出雲風土記、播磨風土記記紀等を踏まえながら、古代史にかかわる遺跡を訪ね歩いて、各地の遺跡、古墳、神社、寺等を写真入りで、分かりやすく書いている。
 大和の中心にある三輪山になぜ出雲の神様が祭られているのか? それは出雲勢力が大和に早くから進出し、邪馬台国を創ったのも出雲の人々だったからではないか?ゆかりの地を歩きながら、記紀出雲国風土記魏志倭人伝等を読み解き、古代世界における出雲の存在と役割を分かりやすく説明している。
 今までの古代史関係の本とはちょっと異なる視点で書かれているのが新鮮だった。出雲には3度ほど行ったが、まだまだ行ってない、見ていない史跡が多くある。高校時代からの親友Iさんも島根に住んでいて、また来いよと言ってくれている。この本を読んで、出雲に関わる史跡をまた訪ねてみたくなった。