2020-12-18 釈撤宗 「歎異抄 救いの言葉」(文春新書)を読む 18歳の時に初めて本多顕彰の歎異抄入門を読んでから多くの歎異抄解説本を読んできた。岩波文庫の金子大栄の歎異抄をはじめ、紀野一義、梅原猛、五木寛之、野間宏、玄侑宗久などの解説本を読んできた。印象に残るのは、本多顕彰の「歎異抄入門」、紀野一義の「私の歎異抄」だ。 釈撤宗さんのこの本、歎異抄の講義をベースにして書かれたもの。そのため、説明が丁寧で分かりやすく、親鸞の思想、その時代の他の仏教者の思想や、大乗仏教、平安仏教にも触れながらの説明が分かりやすい。 若い時からいろいろな仏教者や僧侶の書いたものを読んできたが、そういった方々の多くは既にあの世へ逝かれてしまった。 最近は南直哉、玄侑宗久さんの書いたものをよく読んできたが、南直哉62歳、玄侑宗久64歳と私より10歳以上若い。釈撤宗は59歳と更に若い。しかし、さすがに僧侶!皆さんよく勉強していて良い本を書かれている。 釈さんのこの本で久しぶりに歎異抄をじっくりと読み直した。初めて歎異抄に出会ってからかれこれ50年近く、今回も新たな発見があった。歎異抄と親鸞の仏教、思想が私の人生観の原点であることを再認識した。