- 作者: 玄侑宗久
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/09
- メディア: 新書
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なかなかどうして、さすが玄侑さん、東西の哲学者や現代の自然科学の知見を縦横に駆使しながら、観音菩薩が舎利子に語りかけるというスタイルをとっている。舎利子に語りかけるというより、現代の我々に観音さんが般若心経を説明してくれていると言ったほうがいいだろう。
現代物理学を参照すれば、この宇宙は全体にネットワークしあいながらその姿かたちを時々刻々と結んでは開いていく、無常の世界であることがわかり、認知科学を応用すれば、生き物は皆それぞれの種類に応じた別々のビジョンを通してこの世の中に向き合っていると語る。
今までの般若心経解説本にない斬新なものになっていると思う。
いままで、数十冊の解説本を読んできましたが、古典的名著は別にして最近のものとしては秀逸ではないかと思う。
以下は本のカバーでの紹介文です。
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人はどうしたら苦しみから自由になれるのだろうか。私たちは、生まれ落ち成長するにしたがって、世界を言語によって認識し、概念を動員して理解する。それは、社会で生きる以上不可欠なものかもしれないが、いっぽうで迷いや苦しみの根源でもある。『般若心経』には、そうした合理的知性を超えた、もうひとつの「知」が凝縮されている。大いなる全体性のなかに溶け込んだ「いのち」のよろこびを取り戻すための現代語訳決定版。