「日本数寄」松岡正剛
松岡正剛の「花鳥風月の科学」を読んでから、松岡のものが読んでみたくなり「遊学」「ルナティクス」「日本という方法」などを読んできた。また、インターネットで彼の「千夜千冊」でいろいろな本の解説/書評/感想文を面白く読んできた。
「日本数寄」も読んでみたかったが、東京の八重洲ブックセンターでも見つからなかったので忘れていた。2000年に文芸春秋から出版されていたのが、今回、ちくま学芸文庫から文庫本で出た。3月10日に出版されたものを3月14日に買った。出たての活きのいい本を見つけて読むのは、とれたての旬の魚を食べるような感じで“うまい”。
この本の内容を簡単に紹介することは、私ではとても難しい。
日本の意匠、神仏のいる場所、数寄と作分、江戸の人工知能、といった内容を縦横無尽に語っている。
茶道、能、コンピュータ、絵画、浮世絵、文学、和歌、仏教etc.あらゆる分野にわたって、日本の「数寄」→好き、隙、透き、漉、梳きを、九鬼周造にも言及しながら語っている。するっと読める本ではないが、日本人として腹に収まりがよく、面白い。日本文化、日本人の深層について、今までに気がつかなかったところをたくさん気づかせてくれる本だった。