「父の像」(吉本隆明)

 友人のtnkさんの勧めで読んだ。夏目漱石森鴎外芥川龍之介などの父の像を書いている。これらの作家が直接父の像について書いているのではなく、彼等の小説の中に表現された父親の像を読み解きながら彼等の父親像を書いている。それぞれ作家ごとに父親像が異なり面白いと思った。読みながら、自分の父の像を書くとしたらどんなものになるか想像しながら読んだ。最後に、吉本隆明の父の像が語られている。下町の長屋住いの船大工の男として生まれ、父の作った舟に乗り、東京湾で遊んだ思い出などを通して、父の像を書いている。私の飲んべーの父の像など恥ずかしくて書けたもんではないと思ったが、あの吉本隆明の父がこういう人だったのかを読んで、私も父の像を書いてみたくなった。
 私の姉や、兄たちにも父の像を聞いてみたくなった。それとともに、36、41になる2人の息子たちと、父としての私がどのように映っているのか、酒でも酌み交わしながら、話をしてみたいと思っている。