吉本隆明さん死去

 又一人、昭和の偉大な思想家が亡くなった。私は、彼の「共同幻想論」「言語にとって美とは何か」などの本は出版当時まだ24歳、大学を卒業したばかりだったので、関心興味はあったものの読まずにきた。むしろその後の「最後の親鸞」「未来の親鸞」「親鸞復興」などの本との付き合いが始めだった。それまでは、僧侶や仏教学者、作家などの書いた親鸞ものが多かった中で、吉本さんが親鸞を書いたことが新鮮だった。「最後の親鸞」の中で、往相回向、環相回向について分析している論点には共鳴を覚えた。
 糸井重里との対談、「悪人正機梅原猛中沢新一との対談「日本人は思想したか」なども面白く読んだ。読み損なっていた「真贋」は最近読んだが、ちょっと期待外れだった。
 それにしても、昭和の骨のある思想家が一人二人とあの世に行かれて残念だ。Webのニュースでも、梅原猛石原慎太郎糸井重里などの人たちが追悼のコメントを読んだ。
 吉本隆明さんの本を読みかえしてみたいと思う。