「『日本という方法』―おもかげ・うつろいの文化」 松岡 正剛 (著) (NHKブックス)

 この本は松岡正剛が2004年の6月から7月にかけて、NHK人間講座で放送された「おもかげの国・うつろいの国」のときのテキストと語りをもとに書かれている。私はこの放送は見ていなかった。放送は終わっていたが書店でこのテキストを見て内容が面白そうだったので読んだ。今回、その時の内容を、修正、加筆、削除などされて、更に突っ込んだ内容になっている。
 松岡正剛は、インターネットで「千夜千冊」という彼のHPで、読んだ本の解説、感想を書いている。単なる書評ではなく、松岡正剛の解釈した感想を述べたり、分析、解説などをしていて面白い、私はよく読んでいる。既にこの千夜千冊は千数百冊に及んでいる。この「千夜千冊」も最近単行本になって書店に並んでいる。
 彼の書いたものでは「花鳥風月の科学」が面白かった。

「この日本という方法―おもかげ・うつろいの文化 」は「おもかげ」「うつろい」「アワセ」「キソイ」などのキーワードをひも解きながら、「日本という編集」をさぐり、「日本という方法」の視点で、万葉から満州まで、日本の歴史、文化、文学、宗教を語っている。内容の濃い、かつ、新しい歴史観を教えてくれる、読みごたえのある本でした。

以下はamazonの紹介文から

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 アワセとキソイで「日本的編集方法」を探る。あまたある「日本論」「日本人論」のなかでも日本を「方法の国」として考えるという、大胆な試みはされてきただろうか。何らかの情報を得て受けとめる方法のすべてを「編集」であると見て史書の編纂から日記、短歌、連歌などにとどまらず政治・経済のシステムや、書くこと話すこと、生きることそのものまでを編集行為として捉え、長年考察し続けてきた成果をもとに日本を日本ならしめている「日本的編集方法」を探っていく。ことさらに「主題」を求めようとするのではなく歴史に蓄積された「日本という方法」を発見していく注目の書。