「迷える者の禅修行 ドイツ人住職が見た日本仏教」(ネルケ無方:新潮新書)

迷える者の禅修行―ドイツ人住職が見た日本仏教 (新潮新書)作者: ネルケ無方出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 22回この商品を含むブログ (16件) を見る 日本にも外国人の仏教修行者がいることは知っていたが、この…

「空也上人がいた」 (山田太一:朝日新聞出版特別書き下ろし作品)

空也上人がいた (朝日新聞出版特別書き下ろし作品)作者: 山田太一出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2011/04/07メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 106回この商品を含むブログ (16件) を見る 家内がこの本を薦めた。小説はどうもまどろっこしいので、…

放射線&原発関連読書

東日本大震災以来、以下の3冊の本読んだ。原子核反応のところは雑誌のニュートンなどを読んだ。 1.「本当は怖いだけじゃない放射線の話」(WAC新書:大朏博善)→ 東日本大震災前の2002年に書かれたもの。放射線のことはよくわかるが、原発の問題点の指摘は厳…

「いきなりはじめる仏教生活」(釈徹宗:新潮文庫)

“いきなり”?どんなふうに仏教生活を始めるのか。若いときから仏教には関心を持ち続け、色々な本は読んできた。しかし、ブディスト?として真面目な生活をしているかというと程遠い。 この本の著者、釈さんは50歳で浄土真宗本願寺派の住職。最近は玄侑宗久…

「すらすら読める 今昔物語集」(山口仲美)

今昔(いまはむかし)、遍理といふ一言多き、キザッペありけり。古文、國語、すこぶる苦手なりき。歳をかさね、少しは古文の味、分かるやうになりけり。 というわけで、最近読んだ「日本語の古典」と同じ著者の上記の本が図書館で目にとまり借りて読んだ。今…

「夫婦脳」(黒川伊保子:新潮文庫) 

夫婦脳―夫心と妻心は、なぜこうも相容れないのか (新潮文庫)作者: 黒川伊保子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/11/29メディア: 文庫 クリック: 4回この商品を含むブログ (12件) を見る 著者の黒川伊保子さんは、奈良女子大の物理学科を出て、株式会社感…

「日本語の古典」(出口仲美:岩波新書)

以前、出口仲美さんの「日本語の歴史」という本を読んだ。「日本語の古典」どんな本だろうと書店でページを括ると、古事記、日本書紀、風土記から始まって、枕草子、源氏物語、方丈記、平家物語、徒然草はもちろんのこと、堤中納言物語、今昔物語集、伊曾保…

「アブラクサスの祭」(玄侑宗久:新潮文庫)

アブラクサスとは何だろう? 小説の終わりに近いところで、「神様と悪魔を兼ね備えた存在がアブラクサスであり、ナム・アブラクサスとはいずれにしてもその聖なる存在を呼びだす呪文なのだ」という説明があったが分かるようで分からない。 Webで検索した…

「初めての宗教論 右巻 見えない世界の逆襲」(佐藤優:NHK出版・生活人新書)

最近、佐藤優の本を3冊ほど読んだ。「国家の罠」「インテリジェンス人間論」「ぼくらの脳の鍛え方 必読の教養書400冊」(立花隆+佐藤優:文春新書)、どれも面白かった。「ぼくらの脳の鍛え方」は立花隆の読書量とそのカバー範囲の広さはすごいなと以前…

ニーチェ「アンチクリスト」

会社同期の友人Sさんが、私の読初のニーチェの記事を読んで、「アンチクリスト」(適菜収:講談社α新書)を勧めてくれた。この本は一気に読めるし、ニーチェがどういう事を考えているのかをよく理解できるのと、この本を読んでから、他のニーチェの他の著作…

「知的余生の方法」(渡部昇一:新潮新書)

34年前に「知的生活の方法」を書いた渡部昇一さんが80歳になった今、「知的余生の方法」という本を書いた。 「知的生活の方法」は私も32歳の時に読んで影響を受けた。この本の7年前に梅棹忠夫の「知的生産の技術」がベストセラーになった。この2冊から、読書…

「ひらがなでよめばわかる日本語」(中西進:新潮文庫)

ひらがなでよめばわかる日本語 (新潮文庫)作者: 中西進出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/05/28メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 29回この商品を含むブログ (18件) を見る 家人が図書館で借りてきた。家人にしては珍しいジャンルの本を借りたので、なん…

「古事記を読みなおす」(三浦佑之:ちくま新書)

三浦佑之さんの本は「口語訳古事記」など読んでみようと購入したのだが積ん読になったままだった。この「古事記を読みなおす」は新書でもあり読みやすそうだったので読んだ。いままで、古事記については関連本を何冊か読んできたが、もうひとつ、理解ができ…

「ルポ 貧困大国アメリカ」「報道が教えてくれない アメリカ弱者革命」(堤未果)

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)作者: 堤未果出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/01/22メディア: 新書購入: 39人 クリック: 606回この商品を含むブログ (373件) を見る 「ルポ 貧困大国アメリカ」は以前に発行された岩波「図書」の「私の勧める岩波新…

「語る禅僧」(南直哉:ちくま文庫)

語る禅僧 (ちくま文庫)作者: 南直哉出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/11/12メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 10回この商品を含むブログ (7件) を見る 南直哉は早大文学部を卒業し26歳で曹洞宗において出家得度、永平寺で19年間修業。その後、福…

「インテリジェンス人間論」(佐藤優:新潮文庫)

さきに読んだ「国家の罠」が面白かったので、この本を読んだ。外務省の在籍時代に間近に接した、歴代総理やロシア首脳、さらに歴史上の人物を“インテリジェンス”の視点から分析していて面白い。インテリジェンス人間論 (新潮文庫)作者: 佐藤優出版社/メーカ…

「『やまとごころ』とは何か−日本文化の深層」(田中英道:ミネルヴァ書房)

A塾の田中先生の書いたものだ。はしがきで万葉集について触れ、1300年前もの歌:文学が現代でも広く民衆に愛されているのは世界でもきわめて稀なことことだと語る。万葉集は古代の歌だが、「近代」と「古代」の壁を越えた日本人の生の連続性があるという。 …

「古文の読解」(小西甚一:ちくま学芸文庫)

高校時代、国語の苦手な私は、古文、現代文とも点が取れなくて苦労した。理科系受験なので英数理で点を稼げばいいようなものだが、数学、物理、化学などの得点もなかなか上がらず苦労した。そんな中で、古文ももう少し点が取れるようにと参考書を探した。 そ…

『「まじめ」は寿命を縮める−「不良」長寿のすすめ』(奥村康)

「不良」長寿にひかれて読んでみた。 私は糖尿病キャリアで、タバコも二度ほど禁煙したが復活してしまっている。最近のテレビでは、いろいろと詳しく病気の原因やその予防法を解説してくれている。 医者も私の掛かり付けのドクターはそれほど厳しいことを言…

「葬られた王朝 古代出雲の謎を解く」(梅原猛)

葬られた王朝―古代出雲の謎を解く作者: 梅原猛出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/04/25メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 53回この商品を含むブログ (8件) を見る 出雲大社に3度ほど行き、古代史関連の本もある程度読んできた。梅原猛が「神々の流竄…

「ぶらりミクロ散歩(電子顕微鏡で覗く世界)」(田中敬一:岩波新書)

著者の田中敬一という方、鳥取大学の名誉教授で専攻は顕微解剖学とのこと。定年後に自宅に電子顕微鏡を設置し、気ままに見たいと思ったものを覗いている。宇宙のマクロの世界も、ミクロの世界も、通常の人間の目では見られない世界を見せてくれて楽しい。中…

『私の國語教室』(福田恆存)

私の国語教室 (文春文庫)作者: 福田恒存出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2002/03メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 44回この商品を含むブログ (57件) を見る 大阪の友人Sさんの勧めで読んだ。文章読本のような、国語に関する本かと思いきや、現代仮名遣…

「雪月花の数学」「感動する数学」(桜井進)

題名にひかれて読んだ。黄金比、白銀比、フィボナッチ数列、指数曲線、対数曲線、オイラーの公式などをやさしく解説している。 黄金比については、「ダビンチコード」でも取り上げられ、昔からミロのヴィーナスやパルテノン神殿など、西洋の美術、建築物に黄…

二冊の「アマテラスの誕生」(溝口睦子:岩波新書)(筑紫 申真:講談社学術文庫)

お伊勢詣りをする前に、二冊の「アマテラスの誕生」という本を読んだ。 溝口睦子さんのものは、 戦前の日本で、有史以来の「国家神」「皇祖神」として奉じられた女神「アマテラス」であるが、ヤマト王権の時代に国家神とされたのは、実は今やほとんど知る人…

「自家製 文章読本」(井上ひさし)

もう少し軽いタッチで書かれている文章読本と思いきや、どうしてどうして、あらためて、井上ひさしの該博な知識に驚いた。文章読本と言えば、谷崎潤一郎、三島由紀夫、丸谷才一、などが有名だ。 国語嫌いだった小生は、これらの文章読本も、若いときに買って…

「人間の建設」(岡潔+小林秀雄)

sunriseさんの勧めで読んだ。小林秀雄は受験時代の現代文で悩まされた。国語が苦手だった私には小林秀雄の文章は難しかった。それでも、「無常ということ」の中の徒然草の文章は憶えている。 岡潔は学生の頃だったと思うが、「春宵十話」「春風夏雨」などを…

「鷲が峰物語:万治の石仏」(新田次郎)

3月8日に諏訪大社の「万治の石仏」のことをちょっと書いたら、Heroさんが新田次郎の「鷲が峰物語」に万治の石仏が取り上げられているというので、読んでみた。54ページほどの短編だ。新田次郎もこの石仏を見てイースター島のモアイ像をすぐに連想し、闘…

「しあわせる力」(玄侑宗久)続き

sunriseさんから、「しあわせる力」に関する力の入ったコメントを2度にわたっていただいた。かなり長くなったので、日付をあらためて、“続き”を本文で書きました。 ++++++++++++++++++++++++++ sunriseさん、さすが深い読みをさ…

「阿修羅」(玄侑宗久:講談社)

阿修羅 (100周年書き下ろし)作者: 玄侑宗久出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/10/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 17回この商品を含むブログ (2件) を見る 玄侑さんが阿修羅という題でどういう小説を書くのかと興味があった。DID(Dissociative Ide…

「しあわせる力−禅的幸福論」(玄侑宗久:角川SSC新書)

玄侑宗久の新しい本が書店の店頭に並んだ。題名に惹かれて読んだ。1月24日の第一刷発行前に発売されていた。 玄侑さんは、和語としての「しあわせ」は言葉の起こりは奈良時代だったという。それに「為」というを当てて、「する」と読んだ。その後中世になっ…